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『改正人材派遣法の概要』


<改正により、市場規模は3〜5倍に>
山本 今回は、この先お母さんも働かないとやっていけない時代になると考えて、そういう人にあった仕事のスタイルとして、人材派遣についてお送りしていきます。昨日(7月26日放送分参照)も言いましたように、人材派遣法が改正されました。この改正のポイントと、人材派遣ビジネスへの短期的な影響について、人材派遣会社の老舗である、マンパワージャパンのマーケティング部長、橋口善一さんにお話を伺いたいと思います。
橋口 よろしくお願いします。
山本 今回の人材派遣法の改正におけるポイントは何でしょうか。
橋口 まず大きなポイントは、職種規制が原則として自由化されたことですね。それから、最長派遣期間が、3年から1年となりました。業界としては、欧米並の原則自由化が実現できたことで、大きなビジネスチャンスと捉えています。
山本 この改正は、どのくらいのメリットを持っていますか。
橋口 これまでは、26種類の業種でしかビジネスを展開できなかったのが、今回の改正により200種類以上に拡大されたわけです。職業の数でいえば、マーケットが6〜 7倍になりました。通産省の予測では、現在の1兆円産業から、2005年頃には、3〜5兆円の規模になるといわれています。
山本 市場規模が、3〜5倍になるわけですね。派遣労働者は、全労働者の何%程度なのでしょうか。
橋口 派遣労働者には、一般と特殊の2種類がありますが、一般の派遣労働者で約0.5%です。派遣先進国の米国の場合は、2%となっています。ですから単純に米国に追 いつくだけで、市場が4倍にはなる可能性はあります。



<派遣社員は、あくまで派遣を望む?>
山本 派遣労働が原則自由化になると正社員の雇用に悪影響を及ぼすと懸念する声もありますが、どのように考えていますか。
橋口 労働組合などではそう考えているところもあるようですね。しかし、数字を見ればわかるように、派遣市場が成熟しても、先進国の米国でさえ割合は全労働者の2% 程度なので、正社員の地位を脅かすことにはならないと思います。逆に、正社員と派遣社員の極めて良好な、ミックスした状態での雇用が実現されていくと思います。
山本 職種が拡がったことによって、メリットはどの人にも大きいというイメージでいいわけですね。
橋口 これまでの26職種は、女性になじみのいい職種が多かったわけです。OAオペレーター、インテリアコーディネーター、デモンストレーターetc...。結果として、我が社における登録者も女性が圧倒的に多く、95%が女性です。これはこれで 、女性の社会進出に大いに役立ったわけですが。今回の改正で規制が緩和されたことで、例えば営業やマーケティングのような、男性になじみのいい職種が出現することになります。ですから男性派遣労働者の割合が、拡大するのではないでしょうか。そのような方には、就業チャンスが劇的に拡がると思います。
山本 今回の改正では、派遣期間が最長で1年に限定されることになりました。この件についてはどのようにお考えですか。
橋口 派遣する側としては、ちょっと残念な気がしています。我が社の派遣スタッフの意識調査をみると、「派遣だから働ける」「派遣スタイルが好き」「正社員として雇用 されることを強く望んでいない」というスタッフが多いです。派遣期間の1年が経ったら、派遣社員に、「正社員になりますか?」という勧告をしなければならないわけですが、それに対して「はい、よろこんで」という方は、極めて少ないと思います。
山本 派遣される側も、「あくまで派遣で」と考えているわけですね。



<有望職種は「営業」>
山本 具体的に有望であると考えられる職種は?
橋口 我が社では、従来の強みを活かし、顧客側から根強いニーズのある職種、「営業職 」について力を入れて営業していこうと考えております。営業職につきましては、今年 の5月から営業スキルを身につけるトレーニングパッケージを開発中で、11月頃には完成する予定です。マンパワーには、「派遣ビジネスは、トレーニングビジネス」というフィロソフィーがあります。ですからスタッフを派遣する場合、必ずマンパワー独自のトレーニングを施し、そのスタッフの付加価値を高めて派遣しています。しかも完 全無料でトレーニングします。営業職といっても様々ありますが、どのような営業が派遣 向きなのかは、現時点では限定していません。ただ、1〜2ヶ月程度のキャンペーン的な営業においては、派遣の営業スタッフは有効だと思います。
山本 今回の改正によって業界は、短期的にどのような影響を受けるのでしょうか。新規参入業者などは考えられますか?
橋口 職種の規制緩和で、単にビジネスチャンスが拡がったと、喜んでいるだけではダメだと思いますね。かなり厳しい競争社会に突入することも考えられるわけで、新規のメジャーな企業体の進出もありえますし、派遣先進国である欧米の人材派遣会社が、日本に進出してきて、人材派遣サービス版のビッグバンが起きる可能性もあります。



先月、トヨタのハイブリッドカー「プリウス」を特集しました(6月29、30日放送分参照)。今度は、ホンダからハイブリッドカー「インサイト」が今年の秋に発売されるそうです。2人乗りの小型車で、30リットルの給油で、1000キロメートルの 走 行が可能だということで、山本さんも驚いていました。で、気になる価格ですが、問い合わせてみたところ、まだ決まっていないということです。「プリウス」が5人乗りで 、215万円(本体価格)なので、それよりは安くなるのでしょうかねぇ。山本さんは 、180万円なら買いだとおっしゃっていましたが、130万円くらいならいいのに ...と思う私です。そりゃないか。

(洋)

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