『〜今後の自動車業界〜自動車に置ける環境対策その1』

<国際的に本格化する環境規制>

山本 今回は、環境対策の視点から今後の自動車業界を見ていこうと思っているわけです。自動車業界は、ガソリンエンジン以外の自動車に本格的に取り組みはじめました。環境対策として、自動車に対する規制も日米欧とも本格化してきています。そういった状況下で日本のメーカーは、どうしているのかをですね、トヨタ自動車環境部スタッフリーダーの伊藤哲志さんに伺いたいと思います。よろしくお願いします。
伊藤 よろしくお願いします。
山本 低公害車とは、どのようなものですか。
伊藤

電気自動車、ハイブリッドカー、天然ガス自動車、メタノールの4種をいわゆる低公害車と位置付けています。通産省では、これにLPG車も含めて「クリーンエネルギー車」と呼んでいます。

山本 最近、自動車に対する環境規制は、どうなっているのでしょうか。
伊藤 ガソリン自動車については、53年以来、規制が強化されていませんでしたが 、来年から強化されることになりました。従来の3分の2の規制がされます。さらに2005年にも、もう一段の規制強化が行われるということです。欧米においても同 じレベルで規制強化が進んでいます。
 

<日本の環境技術は高い>

山本 トヨタ自動車は、企業として、具体的に低公害車に対してどのような取り組みを行っているのでしょうか?
伊藤 もともと自動車メーカーは、石油にかわるエネルギーを使う「代替燃料車(電気・天然ガス・メタノールなど)」として開発を進めてきました。現在の日本の大気環境は、NOX(窒素酸化物)が高いことで問題になっています。代替燃料車に共通して言えることは、NOXが少ないということです。ちなみに1昨年発表しました「プリウス」は、「先進技術車」として低公害車と位置付けられています。
山本 低公害車に関する日本の技術レベルは欧米に比較してどの程度のものなのでしょうか?
伊藤 低公害車といっても様々な種類がありまして、電気自動車でいいますと「電池の技術開発」が必要になります。その点について日本の技術は、相当進んでいると思います。トヨタと松下が共同で作った会社「パナソニックエナジー」で生産された電池をRAV4L−EV、プリウスに搭載しています。他社や海外のメーカーもこの電池を使いたいと考えているようです。ただ欧米でも進んでいるので、それほど差はないかもしれません。
ハイブリッドカーは、量産しているのがトヨタだけですので、かなり進んでいるといえます。ただ米国の国家プロジェクト「PNGV=パートナーシップfor ニュージェネレーションビーグル」で、国と企業が50%ずつ出し合ってハイブリッドカーの研究をしており、燃費3倍の目標を掲げています。 天然ガス車については、技術的には確立してきましたので、どこも同じレベルだと思います。



<普及に向けての課題>

山本 低公害車普及に向けて、これから5年くらいの課題は何でしょうか?
伊藤 低公害車の課題は、第1に車両価格が高いことです。もうひとつは、1回の充電(充填)当たりの走行距離が短いこと。走行距離が短いにも関わらず、充電設備(電気スタンド)が少ないことの3点です。
山本 トヨタでは、普及に向けてどのような活動を行っているのでしょうか?あるいは、将来的にどのような活動が必要であると考えますか。
伊藤 自動車メーカーとしてやることは、まず技術開発です。コスト削減、1充電当たりの走行距離を引きのばすことを目指しています。トヨタでは、小型EVコミューター「e-com(イーコム)」と最新のITS技術を活用し、21世紀に向けた環境に優しいモビリティシステムを検討してきたが、このほど『Crayon(クレヨン)』と名付けた新しい「EVコミューターシステム」を開発し、5月末より愛知県豊田市の本社周辺地区で本システムの運用実験を開始しました。詳しくは、トヨタのHPをごらん頂きたいと思いますが、トヨタでは、『Crayon』の運用実験を通じて、「e-com」やシステムの 完成度を高めるとともに、実験を広く公開し、活用用途などについて多方面からの意見を参考にしつつ、将来の実用化に繋げていく考えです。
山本 ありがとうございました。(この続きは、6月30日放送分で)





〈ハイブリッドカー「プリウス」に乗って来ました〉

トヨタのハイブリッドカー「プリウス」は、ガソリンエンジンと電気モーターのいいとこどりをした、環境の世紀に先駆けた「21世紀のクルマ」です。従来の車に比べて、ガソリン消費量・CO2排出量は約半分に削減されています。このプリウスに、 山本さんが試乗してきました。特徴はいろいろあるのですが、我々がひかれたのは、 インパネ中央部のマルチディスプレイです。このディスプレイには、多彩なインフォメーションが表示されます。写真の画面は、エネルギーモニター画面です。「いまは電気モーターだけで走っている」「いまはブレーキのエネルギーをバッテリーに回収している」といった様子を表示してくれます。明日のページでは、そのインプレッションを報告します。




1年くらい前、山本さんに別の番組で「電気自動車普及の可能性」と題してインタビ ューをしたことがありました。当時はプリウスがリリースされたばかりで、ふたりで「乗ってみたいですねぇ」なんて話をしていました。まさかその山本さんと一緒にプリウスを体験することになるとは。試乗当日は、梅雨の合間の好天で、まさにドライ ブ日和でした。仕事を忘れて「お楽しみモード」に入っていただけに、もっとのんび りできればよかったですね>山本さん

                            (洋)

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